紙は「パルプ」を原料として作られます。
パルプとは、植物に処理を行い、植物を構成している繊維を集めたものです。
ここでは紙の原料であるパルプを、以下のように分類して説明します。
木材パルプには2種類あり、それぞれ特徴の違う紙が作れます。
conifer
針葉樹
繊維が長い。
強い紙が抄けます。
broadleaf
広葉樹
繊維が短い。
表面のなめらかな紙が抄けます。
rag
ラグパルプ
綿の紡績過程から出る「綿ボロ」と呼ばれる繊維を再利用しパルプにしたものがラグパルプ。風合いが良く、特に耐久性の高い紙が抄けるのが特徴です。
lint
リンターパルプ
綿の実のまわりについている繊維を「リント」と呼びます。これを使用したのがリンターパルプです。
肌合が豊かで、弾力性がある紙ができあがります。
linen
リネンパルプ
麻を原料とするパルプ。繊維が長く耐久性があり、ライスペーパーや航空便箋、聖書用紙などに使用されます。
kouzo
楮・三椏・雁皮パルプ
「こうぞ」「みつまた」「がんぴ」と読みます。 古くから和紙の原料として使用されています。
環境に優しく、 木材以外の資源から作られるパルプです。
強度や肌合い、印刷仕上がりなどに独特な個性が出ます。
木材パルプ繊維を原料とした紙とはひと味違う紙質も特徴です。
従来からある和紙の原料やラグ、リンター、リネンなども非木材紙ですが、
ここでは期待されている原料を紹介します。
bagasse
バガス
サトウキビから砂糖をとった後に残るカスの堅い部分を使用します。バガスを使った紙の特徴は、風合いと優しい手触り。
名刺や便箋、ファンシーな用途に向いています。
bamboo
竹
イネ科に属し、比較的短い繊維を持つ竹。
繊維の短さに反して、美しく細やかな仕上がりの紙ができます。
紙をリサイクルする「古紙パルプ」は、地球環境保護と資源の有効利用推進の面でも注目されています。
現在では、段ボールや板紙などの一般紙以外の、ファンシーペーパーの分野まで再生紙の使用が広がっています。ミューズでは特にマット紙の再利用を促進しています。